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旧書籍コードとの付き合い方

 
 さて、ブログ・タイトルの下に、「1970年頃から蒐集した蔵書を整理」とあり
ますが、現在主流の ISBNコードは1980年代に入って徐々に導入されていき、い
っとき裏表紙にあの二段のバーコードが無粋に居座るのが品位に欠けると、装幀
家などのデザイナーから不満の声が上がった話題も記憶しますが、売れれば実入
りにもつながるからか、大きな社会問題ににまではならずに定着したようです。
 以来、今日まで約四半世紀。Windows95 以降に普及したネットには、当然なが
ら現行の「日本図書コード」についてはそこそこの解説を見出せますが、1970年
から10年余り活用された「書籍コード」については、すっきりとまとめて解説し
ているサイトはなかなか見つかりません。

 まあ、四半世紀といえば一冊の本にとっては「古書」「古本」の扱いですから、
最新のデータを扱うようなビジネスとか経済の分野では存在価値も薄く、「古典
的名著の初版本」「改訂前の旧版」などといった、30年も前の出版物を捜し求め
る輩に至っては「マニア」とか「酔狂」とか、学者もどきの人間像が見え隠れし
ます。

 がしかし、日本書籍出版協会と日本出版取次協会が制定し、有効範囲は日本国
内だけとはいえ、ひと頃は「業界標準」であったナンバリング・コードを何とか
利用できないか。国立情報学研究所(Web Cat)のような学術利用、図書館利用の
標準ともいえる NDL-OPAC のような存在はもちろん有用な情報ですけれども、商
用目的で既に使用中止となった書籍コードも、何らかの「知のツール」として使
えないものだろうか。
 実際に「書籍コード」が記載された本を手元に持つ身には、その有効利用法を
考えないではいられません。

 例えば、現在の ISBN 番号の内、国番号の「4」の次が出版社(者)番号ですが、
大手老舗の2桁から(例えば岩波書店は「00」、小学館は「09」)、2010年に登録
された出版者(社)では6桁の番号を割り振られている例もあり(この会社は100冊
しか本を出せない? と心配してしまいます)、全体の桁数は10桁(ISBN-10)か13
桁(ISBN-13)に収める約束ですから、ちょっと見にはどこまでが「登録出版者」
番号(コード)なのか分かりません。
 しかし、1970年の旧「書籍コード」は、「xxxx-yyyyyy-zzzz(出版社により、
「y」の部分は4~6桁の幅があり)」の「zzzz」部分が出版社コードと判りやす
くできています。例えば音楽書の出版では実績のある「音楽之友社」は、ISBN用
の「276」と旧「書籍コード」時代の「0777」の2種の番号を持っていますが、
現在ではこの「0777」が書店・取次向けの「取引コード」として生き存えている
ことが分かります。

 そこで、上述の「古書」「古本」という視点からあれこれ探してみると、

 「古書project」(http://www.k-pj.com/book/index.html)

という一種の「古書《標準化》計画」が稼動しています。

 「Bsearch」という検索窓が用意されていますが、「Help」画面によれば、

> あまり利用はないと思いますが、一応、旧書籍コードによる検索が出来ます。
> 在庫検索で、旧書籍コードを入力して下さい。

とあり、試しに手元にあった音楽関連書籍を入力してみたが、なかなかヒットし
ません。
 「ならば著名作家の一般文芸書辺りではどうか?」
と、五木寛之の著書から「0095-665900-7904」を検索してみると、見事に『ゴキ
ブリの歌』(毎日新聞社刊、1971)がヒットしました。
 で、そこに表示された「4-b7904-665900-b」というコードが、「古書project」
で施す「コード化処理」であることが分かります。その取り決めについても詳し
い解説が為されていますが(上述サイトから、画面の「古書会館」>「資料室」
と辿って「コード化処理」を参照)、そこから、音楽之友社の出版物であれば、

 「4-bzzzz-yyyyyy-b」
 日本「4」の、
 旧書籍コード「b」で、
 音楽之友社「zzzz部分が0777」の、
 書籍番号「yyyyyy」(末尾の「b」も旧書籍コードの識別)の本

というルールに基づく書誌コードが作成されていることが分かります。これで、
アマゾンをはじめとする多くのネット販売サイトで商品識別に使っている ISBN
(1980年代以降)に加え、「4-b0777」(音楽之友社の場合)という検索キーで1970
年代まで遡った書誌検索方法が与えられたことになります。

 実際に、出版社コードまでの「9784276」や「4-276」で「書誌検索」をかける
と、音楽之友社の出版物がズラッと一覧で現れ、さらに「4-b0777」で十数点の
書誌データ一覧が表示されると、
 「現行出版物に加え、1970年代まで遡ってサーチしているぞ!」
という、一種の感動に近い驚きを覚えます。

・古書店商用データベースなので、基本的に在庫から作成していく。従って、過
 去の出版物を網羅するものではない。

ながら、手元に現有する「旧書籍コード」が生かされた用例としては、とてもエ
ポック・メイキングな、正に「プロジェクト」だと思われます。

 ちなみに、以前話題にした『リコーダーとその音楽』の、「978-4-8906~」は、
日本図書コード管理センターの「登録出版者の検索」で調べると、「89066」が
日本ショットの出版者(社)番号なので、正しくはハイフンの位置がひとつずれて、
「ISBN978-4-89066-260-9」となるのでしょう。おそらく、
・ブークスで登録する時にISBN-13に直した。
・流通は全音楽譜時代のナンバリング(全音楽譜のISBN出版者番号は「11」)。
・アマゾンは記載されているISBN-10で管理。
・表紙や奥付の「発行」は日本ショット。
・「発売」は奥付によれば全音楽譜。
といった認識になるのではないかと考えられます。多分「260」というのが日本
ショット内での管理番号なのかしら。残念ながら2011年8月現在、日本ショット
社のサイトにある「出版物」の箇所にはこの本の存在は見当たらず、「260」の
確証は得られませんが……。

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