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迷えるC(書籍分類)コード

 
 『音の静寂 静寂の音』(高橋 悠治著、平凡社)

 文献資料を扱うブログだから、「Cコード」といえば、本の裏表紙の ISBN 番
号に続いて「C3073」とか書いてある「あれ」だろ? と想起できるかは疑問が
残るところ。こと音楽に関してはコード・シンボル(一般にはコード・ネーム)の
存在があり、単に「Cコード」と書くと、「ああ、ドミソの和音ね、」となりか
ねないからです。ゆえに、敢えて「C(書籍分類)コード」としました。

 ちなみに、記事のカテゴリ「書誌コード」は私が勝手に作ったものです。通常
は「書籍コード」(現在は「日本図書コード」)や、バーコードに関わる JAN な
ど(「書籍JANコード」)が一般的な認識でしょうが、「書籍」の文字が残ると、
これら現況流布している規格などが想起されてしまいます。
 が、古書・輸入書・楽譜・音源資料なども視野に入れると、マテリアルの特定
という意味だけに使えるので、敢えて「書誌コード」としたわけです。出版社内
のみの在庫管理で使う番号なども対象にできますから、ISBN などに縛られずに
話題にできます。

 さて、1970年から用いられていた書籍コード「xxxx-yyyyyy-zzzz」(xyzは半角
の番号、「y」の部分は出版社によって決められるので、4桁~6桁の幅がある)
の内、「xxxx」部分が生き残り、頭に「C」を付けて「分類コード」として使わ
れています。1桁目が販売対象、2桁目が形態、3・4桁が内容で音楽・舞踊は
「73」が割り当てられています。「C3073」とは、「専門書扱い(3)、単行本(0)、
音楽・舞踊(73)」となり、販売店がどの棚に収める本なのか、在庫の確認、等々
に利用するものです。

 それ以前の本は、恐らくもっと手作業に近い「経験則」に基づいて分類されて
いたはずで、出版社も分類の基準に加えられていたと思われます。1960年代に、
音楽心理学の本を買いに大型店に赴いたところ、
 「音楽心理学という本は音楽の棚にあるのですか、心理学の棚ですか?」
と尋ねたら、
 「出版社はお判りですか?」
と問い返され、
 「音楽之友社です。」
と答えたら、
 「じゃあ、音楽の棚にあります。」
と教えられたことがあります。

 この「Cコード」は、流通・販売の便宜上の分類ですが、個人の文献資料管理
にも流用できますし、そこそこに楽しむこともできる存在です。
 内容は音楽を扱いながら、あちこちに書いた文章の上梓である「エッセイ集」
だったりすると、「C0095、一般書、単行本、日本文学・評論・随筆、その他」
と付いたりましす。著者に傾くか、内容に傾くかでしょう。
 「映画音楽」となると、「73、音楽・舞踊」になるのか「74、演劇・映画」に
なるのか、といった迷いが生じますが、著者が一貫して映像と音楽の関連につい
て著述をものしていれば「74」、音楽全般に造詣が深いがたまたま映画音楽につ
いて書いたとなれば「73」だったりします。
 「音楽を科学する」などという興味を惹かれる本だと、「C0345」と付いてい
たりします(「45」は何と生物学!)。
 つまり、音楽を「芸術」とか「美」といった感性ではなく捉える際のヒントに
もなったりするわけで、一種の「楽しみ」の要素になり得るわけです。

 ただ、「これはいただけない」というか、明らかに間違ったとしか言いようが
ない記載もあります。冒頭の『音の静寂 静寂の音』に印刷されたのが「C0079」。
この「79」は何と「コミックス・劇画」の分類番号です。これが例えば、「手塚
治虫テーマ別作品選集音楽編」とでもいった編集なら理解できますが、作曲家・
演奏家の高橋悠治氏はマンガを描きませんし、マンガ論・漫画家論を展開もしな
いでしょう。

 おそらく「C0073」の間違いなのだと思われますが、ではこれが、ほとんどア
ルバイト店員のみで切り盛りしているような店舗で、事務的(というかむしろ機
械的)に入荷・在庫・販売・管理などが行われていくとしたら、少々空恐ろしい
ものを感じます。

 ひと手間、最後は人間の目を光らせて、判断の篩(ふる)いにかけて文献資料と
は向き合っていきたいものです。
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